17/01/2025
寿福酒造場 その5
『油と旨み』
最後に油分の話をさせていただきます。
常圧で蒸留した焼酎、特に麦や米の焼酎には油分がたくさん含まれるそうです。油分は空気に触れると酸化してオフフレーバーを出しますが、油分には甘みや旨み、コクとなる成分も含まれている為、寿福さんでは、油分はできるだけ残します。濾過の際は空気に触れる表面に浮いてくる油分は取り除きますが、それ以外の油分は取りすぎないよう気をつかっています。濾過中は常にタンクに張り付いて程よく油分が残ったバランスで濾過を切り上げ貯蔵タンクに移すそうです。
こうして油を残すことで、あっためると脂がのびて甘くなるんだそうです。『武者返し』のおすすめの飲みかたは、湯割り。湯を器に注いだらもうひとつ用意した器にひっくり返して移す。これを何度か繰り返したあと、湯の割合を6から7に対して、『武者返し』を4から3注ぎます。注ぎ方は、器の縁を這うように静かに注ぎ、最後だけ「とくっ」と入れる。これがポイントだそうです。
ちなみに、武者返しには43度、35度、25度のバリエーションがありますが、43度、35度は濾過1回。25度は瓶詰めの際にもう一度濾過して割水をする為、43度、35度の方がより油分が残されています。
長くなりましたが、寿福さんの焼酎がどうして「やさしい」のか、少しでもお伝えできていれば幸いです。
ですが、それよりもなによりも、寿福さんの焼酎が「やさしい」のは、
『飲めばわかる』
寿福酒造場で造られる焼酎が「やさしい」と感じられるのは、その土地、人々、そして蔵全体に漂う温かさも反映されているのかもしれません。
人吉盆地や球磨川の豊かで美しく、そして厳しい自然。長い歴史の中で培われた文化の結晶、それを支える絹子さん、良太さん、莉子さん、そして支え合うご家族や地域の人々。
丁寧に手間を惜しまず造られる焼酎には、作り手の真心や、その土地の息吹も、込められているんだと思います。
そんな焼酎が伝えてくれる物語に思いを馳せながら、ふっと笑顔が漏れるやさしい焼酎を今宵の食卓の傍に、じわーっとほっこり、お楽しみください。
『聖地巡礼』
私にとって焼酎の聖地『寿福酒造場』の向かいには、小さなお社があり、なんでもそこは、『夏目友人帳』というアニメの聖地だそうで、ひっきりなしに聖地巡礼の方々が訪れる様子が見えました。
私はそこを訪れるご家族のお父さんにお願いして、寿福酒造場をバックに皆さんと一緒に写真を撮っていただきました。絹子さんに腕を組んでいただき、感激です。
最後はみなさんで見送ってくださり、「またいらっしゃい」と声をかけてくれたのがうれしかったです。
この場所がずっと、やさしさと、あたたかさと、元気な笑い声に包まれていますように。
絹子さん、良太さん、莉子さん、私たちを温かく迎えてくださり、本当にありがとうございました!
またうかがいます
【現在新川屋田島酒店でお取り扱い中の商品】
(全て税込価格です)
・寿福絹子 麦焼酎 25度
1800ml:¥2,882
720ml:¥1,639
・武者返し 球磨焼酎 25度
1800ml:¥2,882
720ml:¥1,639
・武者返し 球磨焼酎 35度
1800ml:¥3,630
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1800ml:¥4,455
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やさしさに飢えた時に、適量おたのしみください
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#つづく